努力は怠らないが苦労はしたくない

何も書いていないに等しい

局面を点で捉えるか線で捉えるか

ソフトと人間では局面の捉え方が違うと言われているが、今日とてもよく実感できたものがあったのでここにメモ。

想定局面

居角左美濃の有名な変化より

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▲5五角と飛車香両取りに打った局面。この局面自体は後手に1200

王道の切り返しは△4四角で以下飛車金取り合った局面はだいたい後手に1500(!)ほど振れる。

ここで例えばソフトの最善手である△6六歩を考えてみる。

同じように飛車金取り合えば後手に1000(?)ほど。

△6六歩に▲同金として△3三角以下飛車金取り合えば後手に1300.。

最初これに違和感を覚えた。△6六歩が最善であるならば以降の変化は△4四角の変化を超えていなければいけないと感じたのである。

しかしどう考えても△6六歩の流れは△4四角に勝っていない。これはどういうことか。

考え方の違い

つまり局面をソフト的に点で捉えた場合、△4四角に対する先手の最前の応手は飛車を取ることではない(▲同角や▲8六歩)のだ。

ところが人間的に局面を線で捉えた場合、元々▲5五角は「飛車香両取りが受からないでしょう」という主張なので選択肢は勢い飛車を取る一択になる。

すると逆算的に、先手は飛車を取るのでそれを悪手にできる△4四角が勝る、というのが判断であろう。

これなら納得である。飛車を取る手が最善手の△6六歩の変化と、飛車を取る手が最善手ではない△4四角、ここに差が出たのだ。

活用法が難しい

このことからソフトを利用しての研究は素人にはレベルが高いというのをヒシヒシと感じた。

ソフトは常に点で最善手を追っているので、相手が悪手を指す前提での最前手は教えてくれない。相手のまず指さない手をいくら研究しても意味がない。相手の応手を読む棋力が無いといけない。

また人間は線で読むので点での最善手を見逃すことがよくあり、これが評価値のブレで現れる。ここに一喜一憂してもいけない。

そういう意味で、棋書は偉大だ。プロの目が入っている(よね?)という安心感がある。ソフト丸パクリの棋書が出始めたら俺は将棋をやめる。

ちなみにさっきの局面はより深く読ませるとやっぱり△6六角が最善だの△8七歩成のがいいだのゴタクを並べてくるが、まずこうはならないので実戦的には深く読ませる必要はない。

また、この局面は超悪手を指さなければ良いのであって最善手が求められる局面ではない。何を指してもだいたい勝つ。

 

はーまじめに記事書いたら疲れたよママン。もう寝るは。